創業明治29年。水のふるさと、富山から。
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2026.11.02

備忘録 VOL.42「コインの表裏」

グローバル化の進む中、日本人は対人関係において自己主張が弱い、存在感が薄いなどと指摘されているようです。ところが個人の性格においてもそうであるように、往々にして長所と短所はコインの表裏かもしれません。つつましく、調和を重んじる日本人の良いところが世界でも注目されています。

エジプトでは

歴史的に欧米の教育制度を多く取り入れてきたエジプトでは、「個人主義」や「知識・受験偏重」により、「学力は上がるが、社会性や協調性が育たない」という課題に直面していました。そこで、西欧とは異なるアプローチで近代化と経済発展を成し遂げた「東洋の日本」の教育が注目されました。

来日したエルシーシ大統領が日本の小学校を視察した際、子どもたちが自ら掃除や給食の配膳を行い、規律正しく調和を重んじる姿に深く感銘を受けました。これが契機となり、日本式教育がエジプト全土に展開されることになったのです。

アラブ・イスラム社会の中心的な調整役を任じるエジプトは、中東地域の安定化のカギを握っています。2011年の「アラブの春」以降、政治的な混乱やテロ、過激主義を経験したエジプト政府にとって、他者と調和し、課題を解決できる市民を育てることは、国家の安全保障そのものなのでしょう。

表裏

調和を重んじるという日本人の長所もまた、短所と表裏です。宗教的、民族的、地政学的な世界の分断がどんどん進んでいます。我々日本人は、持ち前の「調和」を大切にしながらも、主張すべきことはしっかりと意思表示することが、グローバル時代において望まれるところではないでしょうか。

もって生まれた性格は変えようがありません。ならば、長所は大いに発揮し、短所は意思をもって補いたいものです。