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2026.08.03

備忘録 VOL.39「和して同ぜず」

「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

孔子が遺した数ある論語の教えの中で、私が最も好きな言葉です。

備忘録 VOL.39「和して同ぜず」

和と同の違い

徳の高い立派な人物(君子)は、誰とでも仲良く協調します。しかし、道理に反することには決して同調しません。器の小さい人間(小人)は、表面上はすぐに群れて他人に同調するものの、本当の意味で相手を尊重したり心から調和したりすることはない、という教えです。

「和」とは、お互いの違いを認め、調和すること。そして、、「同」とは空気に支配され同調圧力に流されることです。これを組織に置き換えると、「良い組織は調和して多様な意見を生み出し、悪い組織は同調圧力により異なる意見を出させない」となります。

日本では「空気を読むこと」は相手に配慮するという意味で人間関係を良くする大切な概念とされていますが、「空気に支配」されてはいけません。

進化と退化の分かれ道

組織を活性化するためには、最初に人間関係の質を高めることが大切だといわれています。ただし人間関係の質は、進化すれば心理的安全性が生まれ組織に多様な意見をもたらしますが、退化すれば空気に支配され集団は同調圧力にさらされます。

さて、いったい何が進化と退化とを分けるのでしょうか。

組織が何かの理由で立ち止まり、人間関係が進化と退化の分かれ道に立ったとしましょう。そのとき構成員が「組織の本来の目的」について深く考え全体に共有できたとしたら、人間関係の質は進化し心理的安全性が生まれ、個人の多様な意見は活用され得るのだと思います。組織全体が「和して同ぜず」であるためには、組織の構成員が目的を共有する必要があります。そして個人としては、日ごろから人生の目的について思考し、自らの哲学ともいえる中心原則を確立したいものです。判断をAIに委ねたくなる時代にあっては、なおさらのことです。

『One for All、All for One!』とはラグビーの格言です。これは「一人は皆の為に、皆は一人の為に!」ではなく、「一人は皆の為に、皆は一つの目的の為に!」なのです。

関連ブログ:備忘録 VOL.38「本音とたてまえ」